2010年12月10日に、@Niftyココログに掲載した記事「ThinkPad X61のSATAコントローラをSATA-II 3.0G bps化してみました」をベースに、2017年2月26日現在の内容に修正した記事を投稿します。
Lenovo ThinkPad X61のSATA I/Fは、SATA-I (1.5Gbps)に制限されているため、SSDへ換装したとしても十分な性能を発揮できません。現在のSSDのI/Fは、SATA-III (6Gbps) のため、X61にSSDを搭載しても、1/4程度の性能しか発揮できないことになります。せめて、1/2程度の性能は発揮して欲しいということで、X61のSATA-I (1.5Gbps)のI/Fを、SATA-II (3Gbps)へアップグレードする方法を紹介します。(それでも1/2程度の性能しか発揮できないのですが...)
SATA-II化の方法
ThinkPad X61のSATA I/Fは、本来SATA-II (3 Gbps)の性能が発揮できるハードウェア構成になっているにもかかわらず、何故かSATA-I (1.5 Gbps)にBIOSで制限されています。ですので、SATA-II (3 Gbps)の性能を発揮できるようにBIOSを変更すればよいことになります。ただし、この制限メーカー側が設定しているもので、ユーザーが自由に変更できるものではありません。
メーカー保証の範囲ではありませんが、ThinkPadユーザーがこの制限を外すためのBIOSを公開しています。今回は、この制限を外すBIOSを使います。
実際の手順
実際の手順は、以下の4つのステップです。
- 最新のSATA-II (3Gbps)対応BIOSをダウンロード
- *.rarファイルを解凍し、ISOファイルを取得
- 旧バージョンのBIOSを、Lenovo社のサイトよりダウンロードして適用
- 1.でダウンロードしたBIOSを、Lenovo ThinkPad X61へ適用
手順1. 最新のSATA-II (3Gbps)対応BIOSをダウンロード
以下のURLより、X61用のSATA-II (3Gbps)対応BIOSをダウンロードします。
Ultimate R61/T61/X61/X300 BIOS (inc SATA-II)http://forum.notebookreview.com/lenovo/459591-t61-x61-sata-ii-1-5-gb-s-cap-willing-pay-solution-8.html#post6501443
ちなみに、上記URLには、X61だけでなく、R61/T61/X300のBIOSもあります。X61だけでなく、R61/T61/X300シリーズでも同じ手順で、SATA-II (3Gbps)化が可能です。
手順2. *.rarファイルを解凍し、ISOファイルを取得
日本では、あまり*.rarファイルは一般的ではありません。*.rarファイルを解凍できるツールの入手が必要です。私は、Explzhを好んで使っています。Explzhはインストール後、各拡張子を処理するための"アーカイバDLL"を別途入手する必要があります。"アーカイバDLL"は、Explzhの[Help]メニューの[アーカイバDLLの自動アップデート]メニューを選択すると、自動的に"アーカイバDLL"が更新されます。更新後、手順1でダウンロードした*.rarファイルをダブルクリックすると、Explzhが起動し、*.ISOファイルを入手することができます。
手順3. 旧バージョンのBIOSを、Lenovo社のサイトよりダウンロードして適用
最新バージョンのBIOS 2.22が適用されている場合は、2.21以下にBIOSをダウングレードする必要があります。そうしなければ、SATA-II (3Gbps)にするBIOS適用時のBIOSバージョンチェックで、更新する必要がないと判断されて、更新作業ができません。 ThinkPad X61のBIOS 2.21は、以下のURLよりダウンロードすることができます。
https://download.lenovo.com/mobilesjp/7nuj21jp.iso
以前は以下のURLより、古いバージョンのBIOSもダウンロードできたのですが、現在では、最新バージョンのBIOSしかダウンロードできなくなっています。
http://support.lenovo.com/jp/ja/products/laptops-and-netbooks/thinkpad-x-series-laptops/thinkpad-x61/downloads/ds013746
古いバージョンのBIOSを入手するには、最新バージョンのダウンロードURLより当たりをつけてダウンロードするしかありません。X61以外のモデルの皆様は、各モデルのBIOSのダウンロードサイトのURLより、古いバージョンのBIOSのダウンロード先の当たりを付けてください。
手順4. 手順1.でダウンロードしたBIOSを、Lenovo ThinkPad X61へ適用
手順3.で、入手した古いバージョンのBIOSにダウングレードをした後、手順1.で入手したISOファイルでSATA-II (3 Gbps)対応BIOSへアップグレードすれば、作業は終了です。
高速なSSDへの換装方法
SATA-II (3 Gbps)化は、高速なHDD/SSDを利用するためです。ということで、ThinkPad X61のHDD換装方法も紹介しておきます。ThinkPadの場合、ハードウェアのメンテナンスのためのマニュアルが充実しています。
以下のURLより、SSDへの換装方法の詳しいドキュメントを参照することが出来ます。
ハードディスク・ドライブ取り外し/取り付け手順 - ThinkPad X60/s, X61/s https://pcsupport.lenovo.com/jp/ja/documents/migr-62795
最適なSSDは?
先に記述した通り、現在のSSDのSATA I/Fは、SATA-III (6 Gbps)です。こちらの手順でSATA-II (3 Gbps)化したところで、現在のSSDの性能の半分程度しか発揮できません。ということで、高価で速いSSDは必要なく、厚みが9.5mm以下で、できるだけ容量当たりの単価が安いSSDを購入すればよいと思います。Crucial MXシリーズあたりが良いと思います。Crucial製品を、私もよく使っています。