2018年4月30日 (日本時間5月1日)に、Windows 10 April 2018 Update がリリースされました。Windows 7のサポート期間終了も見えてきたところで、これを機会に手持ちのThinkPad X61, ThinkPad X201s, ThinkPad X220へ、Windows 10 April 2018 Update をインストールしてみました。しばらく触っていない間に、ThinkPad X61, ThinkPad X201sは、Lenovo社のサポートが終了しており、ドライバーのダウンロードメニューからこれらの機種名が姿を消していました。ここでは、古いドライバーのダウンロード方法を含めて紹介します。
ドライバーのインストール
Windows 10のインストールは割愛します。あと、ThinkPad X201sのメモリは8GBにしておきましょう。また、HDDをSSDへ換装することで、より快適な環境になりますよ。
※ Windows 10をAmazonなどで購入する場合は、[オンラインコード版]を購入して、Windows 10 April 2018 Update をダウンロードしてUSBメモリからインストールされることをお勧めします。
さて、問題はサポート切れのThinkPad X201sのWindows 10対応ドライバー、ユーティリティのインストールです。Lenovo社のサポートサイトの "機種選択" 画面から、ThinkPad X201sは削除されています。幸いなことに、検索やURLを直打ちすると、古いドライバーをダウンロードすることができます。ここでは、2018年5月3日現在、ダウンロードが可能なURLを記載しておきます。
BIOSから、Intel Management Engineをオフにすることを推奨
以下に記載がある通り、Intel 管理機能 ファームウェアのバージョン 6.x, 7.x, 8.x, 9.x, 10.x, 11.0, 11.5, 11.6で脆弱性が確認されている上、ThinkPad X201sに搭載されているバージョン6.x向けの更新プログラムのダウンロードリンクが切れているので、2017年5月30日以後にIntel AMTのファームウェアを更新した記憶のない方は、Intel AMTをBIOSからオフにすることを強くお勧めします。(電源ONで、[Fn1]キーを押し、"BIOS Setup Utility"を起動後、[Config]-メニューから、を[Enabled]から[Disabled]へ変更し、[Fn10] "Save and Exit"で終了)
インテル®アクティブ・マネジメント・テクノロジー (IAMT)、インテル®スモール・ビジネス・テクノロジー (ISBT)、インテル®スタンダード・マネージャビリティー (ISM)のリモート特権昇格
ドライバーとユーティリティ類のURL
ここが、このBlog投稿の最も有用なところです。通常のドライバは、*.exe ファイルを実行し、Setup Wizard (画面の指示) に従うだけで導入が完了しますが、そうなっていないものもあります。その場合は、コメントを入れておきます。では、以下、順に紹介していきます。
- Lenovo 省電力ドライバー (Windows 10 32bit, 64bit/ 8.1 32bit, 64bit/ 8 32bit, 64bit/ 7 32bit, 64bit) - ThinkPad ( version 1.67.14.04 / 2017年12月14日 / n20ku09w_x64.exe )
- Lenovo システム インタフェース Foundation Windows 10 (32bit, 64bit) - ThinkPad, ThinkCentre, IdeaPad, IdeaCentre, ThinkStation ( version 1.1.14.0 / 2018年3月30日 / sif11ww140.exe )
- ホットキー機能統合 (Windows 10 64bit) - ThinkPad ( version 9.0.0.10 / 2018年3月20日 / n1wvu51w.exe )
- Intel ラピッド ストレージ テクノロジー ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad ( version 12.8.10.1005 / 2015年6月11日 / gmio10ww.exe )
※ ① Cortanaの[ここに入力して検索]で、"devmgmt.msc"と入力して、"デバイス マネージャー"を起動し、"IDE ATA/ATAP コントローラー"から"標準SATA AHCIコントローラ"を右クリックし、[ドライバの更新]メニューを選択。②[コンピューターを参照してドライバー ソフトウェアを検索]を選択し、[次の場所でドライバーを検索します:] で、"C:\DRIVERS\WIN\IRST64" と入力して、[次へ]をクリックすると、メーカー提供のIntel Rapid Storage ドライバーをインストールすることができます。
- トラックポイント・ドライバー(Windows 7 64bit/ Vista 64bit) ( version 4.73.1 / 2012年4月12日 / 7bg686wj.exe )
※ かなり古いバージョンのまま、TrackPointドライバーの更新が止まっています。 もし、TrackPad をご利用の場合は、こちらのドライバーではありません。
- Intel WiMAX 6250 AGN (Windows 8 32bit, 64bit/ 7 32bit, 64bit/ Vista 32bit, 64bit/ XP) ( Version 12.8.10.1005 / 2015年6月11日 / 8awj15wj.exe )
※ WiMAX搭載モデルでない場合は不要です。
- Realtek High Definition オーディオ ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad X280 ( Version 6.0.1.8287 / 2018年2月5日 / n20a108w.exe )
- Intel PRO/1000 LAN アダプター ソフトウェア (Windows 10 64bit) - ThinkPad X270 ( Version 12.15.25.6 / 2017年12月13日 / r0iei06w.exe )
- Lenovo アクティブ プロテクション システム / インテリジェントクーリング (Windows 10 64bit/ 8.1 64bit/ 8 64bit/ 7 64bit) - ThinkPad ( version 1.82.0.20 / 2017年11月21日 / n1msk20w.exe )
※ SSDへ換装を行っている場合は、不要です。
- Realtek メディア カードリーダー ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad X280 ( Version 10.0.16299.31241 / 2018年3月16日 / n20x805w.exe )
- Intel マネジメント エンジン ファームウェア 6.2 (Windows 8/ 7/ Vista/ XP) - ThinkPad ( 2018年5月3日現在、ダウンロードリンクが切れています ) / 2017年5月30日 )
- Intel マネジメント エンジン インタフェース 6.2 および シリアル オーバーLAN (SOL) ドライバー (Windows 8/ 7/ Vista/ XP) - ThinkPad ( Version 6.2.50.1062 / 2013年6月24日 / 6irb03wj.exe )
※ Intel AMTが搭載されていない機種では不要です。また、BIOSからIntel AMTをオフにしている場合も不要です。
- AMTポップアップ ウィンドウ パッチ(Windows 7 32bit,64bit/ Vista 32bit,64bit) - ThinkPad ( Version 1 / 2009年12月17日 / 6mwp01ww.zip )
※ Intel AMTが搭載されていない機種では不要です。また、BIOSからIntel AMTをオフにしている場合も不要です。こちらのパッチを適用する場合は、①ダウンロードしたZIPファイルを展開 (ダブルクリックすると、Windows Explorerが立ち上がる)し、②"DisableAMTPopup.reg" ファイルをダブルクリックすると、パッチが適用される。
- ThinkPad モニター INF ファイル (Windows 10 64bit) - ThinkPad X280 ( Version 6.06 / 2018年2月5日 / n20oi06w.exe )
※ ①"デバイス マネージャー"を起動し、"モニター"から"汎用 PnP モニター"を右クリックし、[ドライバの更新]メニューを選択。②[コンピューターを参照してドライバー ソフトウェアを検索]を選択し、[次の場所でドライバーを検索します:] で、"C:\Drivers\WIN\Monitor" と入力して、[次へ]をクリックすると、メーカー提供の ドライバーをインストールすることができます。
- スタンバイからのWake On LAN 有効化パッチ (エネルギー・スター 4.0対応) (Windows 10/8.1/ 8/ 7/ Vista/ XP) - ThinkPad ( Version 1.08 / 2015年7月8日 / osfj09ww.exe )
- ThinkVantage システム アップデート Windows 10 (32bit, 64bit), Windows 8.1 (32bit, 64bit), 8 (32bit, 64bit), 7 (32bit, 64bit) - デスクトップ, ノートブック, ワークステーション ( Version 5.07.0072 / 2018年4月20日 / systemupdate5.07.0072.exe )
※ Microsoft Storeアプリ "Lenovo Vantage" を利用する場合は不要です。
- Lenovo Solution Center Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 (64bit) - デスクトップ, ノートブック, ワークステーション ( Version 3.6.002 / 2017年7月12日 / lscsetup_x64_36002.exe )
※ Microsoft Storeアプリ "Lenovo Vantage" を利用する場合は不要です。
Lenovo Vantage (Microsoft Storeアプリ)
知らない間に、LenovoのユーティリティがMicrosoft Storeアプリ "Lenovo Vantage" になっていました。インターネットにアクセスできる状態にした上で、Microsoft Storeから入手します。タスクバーに表示されている Microsoft Storeのアイコン ()をクリックし、Microsoft Storeを起動後、検索バーから、"Lenovo ThinkVantage" と入力すれば、検索結果の候補が表示されます。あとは、"Lenovo ThinkVantage" を[入手]するだけです。
インストールが完了すると、以下のような画面が表示されます。通常ならここで、[システム更新]を実行するのですが、残念ながらLenovo社のサポートが終了しているThinkPad X201sでは、何の更新も出てきません...
[システム更新]は使えませんが、タスクトレイに表示される "電源メーター" は、ThinkPadらしくて、見ているだけで嬉しくなります。
パフォーマンス
以上で、Windows 10のセットアップは完了です。ここで、WinSATを使い、ThinkPad X201sがどの程度の能力があるのか、確認しました。計測と表示には、WIN SCORE SHARE を利用させていただきました。
ご参考までに、他の機種との比較を掲載しておきます。
WinSATによるパフォーマンス比較
|
CPU |
Memory |
Video |
Disk |
ThinkPad X61
- Core 2 Duo T7300 @ 2.0GHz
- Mobile Intel 965 Express |
6.8 |
6.8 |
3.8 |
5.8 |
ThinkPad X201s
- Core i7 L620 @ 2.0GHz
- Intel HD Graphics |
8.0 |
8.0 |
3.6 |
5.9 |
ThinkPad X220
- Core i7-2620M @ 2.7GHz
- Intel HD Graphics 3000 |
8.7 |
8.7 |
5.9 |
7.7 |
DELL Inspiron 13
- Core i7-7500U @ 2.7GHz
- HD Graphics 620 |
8.8 |
8.8 |
7.0 |
8.0 |
ASUS Z370-PLUS GAMING
- Core i7-8700K @ 3.7GHz
- NVIDIA GeForece GTX 1080 Ti |
9.3 |
9.3 |
9.7 |
8.0 |
「ThinkPad X201sはそこそこ使える!」というパフォーマンスで、Webサイトのブラウズや、テキスト編集程度であれば、十分に使えます。グラフィック性能が 3.6と低く、画面更新がもたつく感じがすることを除けば、問題ないレベルです。ThinkPadのキーボードとTrackPointに愛着があれば、もうしばらく使ってもよいように思います。
不具合
Lenovo社のサポートが終了している上、Windows 10のサポート対象外の機種のため、私が確認した範囲で2つ不具合があります。この不具合は、ThinkPad X61でも発生します。(ThinkPad X220では発生しません) いずれも、実際の使用上は大きな問題ではないと思いますが、ここで記述しておきます。
不具合その1
"休止状態"から復帰した後、指紋認証が使えなくなってしまいます。Windows 10では、"休止状態"が、デフォルトのメニュー内では表示されない ("電源管理"から、表示するように設定することは可能) 上、PINコードやパスワードでのログインはできるので、実際の使用上は大きな問題ではないと思います。キーボードショートカット [Fn]+[F12] で、"休止状態"にすることに慣れている方はご注意ください。
不具合その2
Microsoft Edgeや、Microsoft Storeアプリ (UWPアプリとも言います。UWPは、Universal Windows Platformの略)で、TrackPoint (TrackPadではありません) の中央ボタンを使ったスクロールができません。私は、なぜThinkPadを使い続けるかと問われれば、迷わずTrackPointと答えます。ということでこちらの方は、ThinkPad X201sを使い続ける上で、根幹にかかわる部分です。(TrackPointの中央ボタンのスクロールを使わない方、マウスをご利用の方には、不具合とは言えませんが...)
唯一の解決策は、Microsoft Edgeを "使わない" という選択です。Internet Explorer 11や、Chrome、Firefoxなど、TrackPointの中央ボタンで問題なくスクロールできるブラウザを使えば問題ありません。Microsoft Storeアプリも、"使わない" という選択があります。Microsoft Storeアプリに、どうしても使わなければならないものが無ければ、特に問題になりません。Microsoft Officeなど、旧来のWin 32アプリを使うだけなら、よいでしょう。
こちらの不具合は、TrackPointドライバーの更新が止まっていることが原因でしょう。TrackPad (UltraNavドライバー)搭載機では、Windows 10用のドライバーが提供されているため、問題なさそうです。(ThinkPad X220では問題なし)