ThinkPad X61は名機です。ということで、ThinkPad X61へWindows 10をインストールしてみました。インストールは難しいところはなく、Lenovo社のサイトから必要なドライバーのダウンロードさえできればOKです。ということで、こちらの投稿では、利用したデバイス ドライバーの紹介が中心です。当然メーカーの保証はありませんが、もうちょっとThinkPad X61を使い続けたいという方は、チャレンジしてみてください。
まず、ハードウェアの強化を忘れずに
ThinkPad X61がまだ使えるとはいえ、当時のハードウェアのままでWindows 10を稼働させるのは、心情的に無理があります。以下の2つのBlog投稿を参考に、メモリを8GBに増設し、SATA I/FをSATA-II (3 Gbps) 化しSSDへの換装を実施してください。
まずは、Windows 10の入手
Windows 10出荷後1年間は、Windows 10へのアップグレードが無償でできましたが、現在は有償でライセンスを取得する必要があります。DSP版(自作PC向けで、何らかのパーツと一緒に購入が必要)と、通常版(DSP版のような制限がないもの)があります。また、通常版は、USBドライブからインストールできるタイプがあります。DSP版の方が数千円程度安いですが、USBドライブ作成の手間などを考慮して、通常版のUSBドライブ付きを購入することを個人的にはお勧めします。
また、Windows 10にはHomeとProがありますが、家庭での利用を前提としているなら、Homeで十分でしょう。最後に、以下に紹介しているAmazonへのリンクは、64bit版です。メモリが4GB以下のThinkPad X61であれば、32bit版をお勧めします。
では、Windows 10のインストール
実際にWindows 10をインストールしてみましょう。ここでは、USBドライブにWindows 10のインストールイメージがある場合を想定します。Windows 10のインストール イメージがあるUSBドライブの作成方法は、別途検索などしてください。また、内蔵ドライブは、新しいHDD/SSDに換装されていることを前提にします。(アップグレードインストールではなく、既存のすべてのデータが削除されるクリーン インストールを前提としています)
Windows 10のインストール イメージのあるUSBドライブを、ThinkPad X61へ挿入して電源を入れ、直ぐに[F12]キーを押し、USBドライブから起動 (Boot)を行います。あとは、画面の指示に従ってWindows 10をインストールしてください。
次にWindows Update
Windows 10のインストールは驚くほど簡単に終了するはずです。(Windows 7など以前のOSと比べ物にならないほど簡単になっています) 次に、Windows Updateを行います。Windows 10 インストール後、インターネットにThinkPad X61を接続し、[Windowsロゴ]キー+[I]キーを押し、"Windowsの設定"画面を表示した後、[更新とセキュリティ]アイコンをクリック、[更新プログラムのチェック]ボタンで、Windows Updateを行います。
肝は、どのドライバーをインストールするのか?
難しいのは、Windows 10用のThinkPad X61関連ドライバーが提供されていない(サポートされていない)状況で、どのドライバーをインストールしてThinkPad X61のすべての機能を利用できるようにするかということです。これには、Try & Errorが必要です。そのTry & Errorの労力を減らすため、私がインストールしたドライバーの一覧を以下に示します。
- .NET Framework 3.51 (OSの[コントロール パネル]-[プログラムと機能]-[Windowsの機能の有効化または無効化]から、[.NET Framework 3.5 (.NET 2.0および3.0を含む)]チェックボックスをチェックして、事前にインストール)
- Lenovo システム インタフェース Foundation Windows 10 (32bit, 64bit) - ThinkPad, ThinkCentre, IdeaPad, IdeaCentre
- Lenovo 省電力ドライバー (Windows 10 32bit, 64bit) - ThinkPad
- Lenovo アクティブ プロテクション システム (Windows 10 64bit/ 8.1 64bit) - ThinkPad (HDDの場合のみ必要)
- Lenovo Enhanced Performance USB キーボード, ワイヤレス キーボード, マウス - ファイル
- ホットキー機能統合 (Windows 10 32bit, 64bit) - ThinkPad
- スタンバイからのWake On LAN 有効化パッチ (エネルギー・スター 4.0対応) (Windows 10/8.1/ 8/ 7/ Vista/ XP) - ThinkPad
- Lenovo Solution Center Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 (64bit) - デスクトップ, ノートブック, ワークステーション
- AMTポップアップ ウィンドウ パッチ(Windows 7 32bit,64bit/ Vista 32bit,64bit) - ThinkPad
- トラックポイント・ドライバー(Windows 7 64bit/ Vista 64bit)
- Intel マトリクス ストレージ マネージャ ドライバー (Windows 7 64bit/ Vista 64bit) - ThinkPad
- Intel AMT 2.6 ローカル・マネージャビリティー・サービス (LMS) およびシリアル・オーバー LAN (SOL) ドライバー(Winodws 7/ XP/ Vista)
- インテル AMT 2.6 マネジメント・エンジン・インターフェース(Winodws XP/Vista/Windows 7) - ThinkPad T61/T61p/X300/X61/X61s/X61 Tablet
以上で、すべての機能が有効になります。指紋認証がついている場合は、Windows 10標準のドライバーで稼働するようになっており、"Windows Hello"により、OSへ指紋認証でサインインできるようになります。具体的には、[Windowsロゴ]キー + [I]キーで、[Windowsの設定]を起動し、[アカウント]アイコン-[サインイン オプション]タブ-[Windows Hello]で指紋の登録とPINの登録を行うと、指紋認証でのサインインが可能になります。
ThinkPad X61でWindows 10を使う場合の課題
解像度が低いという点が一つの課題です。が、最近視力が衰えてきた私にとっては、解像度が低いことは、必ずしも課題とは言えません。もう一つのの課題は、標準の仮想化環境Hyper-Vが利用できないという点です。Hyper-Vは、Core iシリーズ以降のプロセッサでしか利用できません。あと、私の環境では時々、マウスカーソルが引っかかるような動作をします。(テスト機がHDDだったことが原因かもしれません。SSDなら、引っかかるような動作はなかったかもしれません)
以上3点が問題なければ、もうしばらくThinkPad X61を利用し続けることができるでしょう。