2018年4月30日 (日本時間5月1日)に、Windows 10 April 2018 Update がリリースされました。Windows 7のサポート期間終了も見えてきたところで、これを機会に手持ちのThinkPad X61, ThinkPad X201s, ThinkPad X220へ、Windows 10 April 2018 Update をインストールしてみました。ThinkPad X220は、Lenovo社のサポート対象機種ですが、Windows 10のサポート対象にはなっていません。ここでは、必要なWindows 10用ドライバーのインストール方法を含めて、紹介しておきます。
ドライバーのインストール
Windows 10のインストールは割愛します。あと、ThinkPad X220はメモリを16GBまで実装できます。SO-DIMM DDR3の8GB×2のメモリはかなり安くなっているので、これを機会に増設を検討するのもよいでしょう。また、HDDの機種をお持ちの場合は、SSDへ換装することで、より快適な環境になります。
※ Windows 10をAmazonなどで購入する場合は、[オンラインコード版]を購入して、Windows 10 April 2018 Update をダウンロードしてUSBメモリからインストールされることをお勧めします。
さて、問題はサポートされていないThinkPad X220のWindows 10対応ドライバー、ユーティリティのインストールです。幸いなことに、ThinkPad Xシリーズの最新機種のWindows 10用ドライバをほとんど利用することができます。ここでは、2018年5月3日現在、ThinkPad X220で使えるドライバーのダウンロード先URLを記載しておきます。
まずは、BIOSのアップデート
2018年3月16日付で、Version 1.44のBIOSが公開されていました。Windows 10 April 2018 Updateへ更新を行う前で、BIOSのアップデートを行いましょう。
BIOS アップデート ユーティリティ (Windows 8 32bit, 64bit/ 7 32bit, 64bit/ Vista 32bit, 64bit/ XP) - ThinkPad X220, X220i, X220 Tablet
( Version 1.44 / 2018年3月16日 / 8duj29jp.exe )
ドライバーとユーティリティ類のURL
ここが、このBlog投稿の最も有用なところです。ThinkPad X220用のドライバ / ユーティリティでなくても、ThinkPadシリーズのものであれば、多くのものを流用可能です。ドライバは通常、*.exe ファイルを実行し、Setup Wizard (画面の指示) に従うだけで導入が完了しますが、そうなっていないものもあります。その場合は、コメントを入れておきます。では、以下、順に紹介していきます。
- Lenovo 省電力ドライバー (Windows 10 32bit, 64bit/ 8.1 32bit, 64bit/ 8 32bit, 64bit/ 7 32bit, 64bit) - ThinkPad ( version 1.67.14.04 / 2017年12月14日 / n20ku09w_x64.exe )
- Lenovo システム インタフェース Foundation Windows 10 (32bit, 64bit) - ThinkPad, ThinkCentre, IdeaPad, IdeaCentre, ThinkStation ( version 1.1.14.0 / 2018年3月30日 / sif11ww140.exe )
- ホットキー機能統合 (Windows 10 64bit) - ThinkPad ( version 9.0.0.10 / 2018年3月20日 / n1wvu51w.exe )
- Intel ラピッド ストレージ テクノロジー ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad ( version 12.8.10.1005 / 2015年6月11日 / gmio10ww.exe )
※ ① Cortanaの[ここに入力して検索]で、"devmgmt.msc"と入力して、"デバイス マネージャー"を起動し、"IDE ATA/ATAP コントローラー"から"標準SATA AHCIコントローラ"を右クリックし、[ドライバの更新]メニューを選択。②[コンピューターを参照してドライバー ソフトウェアを検索]を選択し、[次の場所でドライバーを検索します:] で、"C:\DRIVERS\WIN\IRST64" と入力して、[次へ]をクリックすると、メーカー提供のIntel Rapid Storage ドライバーをインストールすることができます。
- Realtek High Definition オーディオ ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad ( Version 6.0.1.8409 / 2018年4月27日 / n10a514w.exe )
- 内蔵カメラ ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad X270 ( Version 3.5.7.5901 / 2017年9月27日 / r0icm08w.exe )
- Intel マネジメント エンジン 7.1 ファームウェア (Windows 8/ 7/ Vista/ XP) - ThinkPad ( Version 7.1.91.3272
2017年5月25日 / 83rf46ww.exe )
※ Intel AMTが搭載されていない機種では不要です。また、Intel AMTのFirmwareの更新を既に行っている場合は不要です。もし行っていない場合は、必ずFirmwareの更新を行ってください。こちらの更新は、Intel Management Engineの重大な脆弱性を修正するものです。① 83rf46ww.exe実行後、管理者としてコマンドプロンプト (CMD.EXE) を起動し、C:\Drivers\WIN\MEフォルダへ移動 (cd C:\Drivers\WIN\ME)。②"MEUpdate.cmd" を実行することで、Firmwareの更新が可能。
- Intel マネジメント エンジン インターフェース 7.1 および シリアル オーバーLAN (SOL) ドライバー (Windows 8/ 7) - ThinkPad ( Version 7.1.85.1216 / 2014年8月27日 / 3ra31wj.exe )
- オートスクロール ユーティリティ (Windows 10 32bit, 64bit/ 8.1 32bit, 64bit/ 8 64bit/ 7 32bit, 64bit) - ThinkPad ( Version 2.21 / 2017年5月15日 / gfvv31ww.exe )
- Intel ギガビット イーサネット ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad X280 ( Version 12.17.8.7 / 2018年2月6日 / n20rw04w.exe )
- Lenovo アクティブ プロテクション システム / インテリジェントクーリング (Windows 10 64bit/ 8.1 64bit/ 8 64bit/ 7 64bit) - ThinkPad ( version 1.82.0.20 / 2017年11月21日 / n1msk20w.exe )
※ SSDへ換装を行っている場合は、不要です。
- Realtek メディア カードリーダー ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad X280 ( Version 10.0.16299.31241 / 2018年3月16日 / n20x805w.exe )
- Intel 8265 ワイヤレス LAN ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad X280 ( Version 20.30.1 / 2018年3月28日 / n20w807w_64.exe )
- Synaptics UltraNav ドライバー (Windows 10 64bit) - ThinkPad ( Version 19.3.4.201 / 2018年2月5日 / n20gx10w.exe )
- AMTポップアップ ウィンドウ パッチ(Windows 7 32bit,64bit/ Vista 32bit,64bit) - ThinkPad ( Version 1 / 2009年12月17日 / 6mwp01ww.zip )
※ Intel AMTが搭載されていない機種では不要です。こちらのパッチを適用する場合は、①ダウンロードしたZIPファイルを展開 (ダブルクリックすると、Windows Explorerが立ち上がる)し、②"DisableAMTPopup.reg" ファイルをダブルクリックすると、パッチが適用される。
- ThinkPad モニター INF ファイル (Windows 10 64bit) - ThinkPad X280 ( Version 6.06 / 2018年2月5日 / n20oi06w.exe )
※ ①"デバイス マネージャー"を起動し、"モニター"から"汎用 PnP モニター"を右クリックし、[ドライバの更新]メニューを選択。②[コンピューターを参照してドライバー ソフトウェアを検索]を選択し、[次の場所でドライバーを検索します:] で、"C:\Drivers\WIN\Monitor" と入力して、[次へ]をクリックすると、メーカー提供の ドライバーをインストールすることができます。
- スタンバイからのWake On LAN 有効化パッチ (エネルギー・スター 4.0対応) (Windows 10/8.1/ 8/ 7/ Vista/ XP) - ThinkPad ( Version 1.08 / 2015年7月8日 / osfj09ww.exe )
- ThinkVantage システム アップデート Windows 10 (32bit, 64bit), Windows 8.1 (32bit, 64bit), 8 (32bit, 64bit), 7 (32bit, 64bit) - デスクトップ, ノートブック, ワークステーション ( Version 5.07.0072 / 2018年4月20日 / systemupdate5.07.0072.exe )
※ Microsoft Storeアプリ "Lenovo Vantage" を利用する場合は不要です。
- Lenovo Solution Center Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 (64bit) - デスクトップ, ノートブック, ワークステーション ( Version 3.6.002 / 2017年7月12日 / lscsetup_x64_36002.exe )
※ Microsoft Storeアプリ "Lenovo Vantage" を利用する場合は不要です。
Lenovo Vantage (Microsoft Storeアプリ)
知らない間に、LenovoのユーティリティがMicrosoft Storeアプリ "Lenovo Vantage" になっていました。インターネットにアクセスできる状態にした上で、Microsoft Storeから入手します。タスクバーに表示されている Microsoft Storeのアイコン ()をクリックし、Microsoft Storeを起動後、検索バーから、"Lenovo ThinkVantage" と入力すれば、検索結果の候補が表示されます。あとは、"Lenovo ThinkVantage" を[入手]するだけです。
インストールが完了すると、以下のような画面が表示されます。
Lenovo Vantage からシステム更新
Microsoft Storeアプリ "Lenovo Vantage" から、[システム更新]を行います。最新のドライバをリストアップしたつもりですが、3つほど漏れが見つかったので更新しておきます。
パフォーマンス
以上で、Windows 10のセットアップは完了です。ここで、WinSATを使い、ThinkPad X220がどの程度の能力があるのか、確認しました。計測と表示には、WIN SCORE SHARE を利用させていただきました。
ご参考までに、他の機種との比較を掲載しておきます。
WinSATによるパフォーマンス比較
|
CPU |
Memory |
Video |
Disk |
ThinkPad X61
- Core 2 Duo T7300 @ 2.0GHz
- Mobile Intel 965 Express |
6.8 |
6.8 |
3.8 |
5.8 |
ThinkPad X201s
- Core i7 L620 @ 2.0GHz
- Intel HD Graphics |
8.0 |
8.0 |
3.6 |
5.9 |
ThinkPad X220
- Core i7-2620M @ 2.7GHz
- Intel HD Graphics 3000 |
8.7 |
8.7 |
5.9 |
7.7 |
DELL Inspiron 13
- Core i7-7500U @ 2.7GHz
- HD Graphics 620 |
8.8 |
8.8 |
7.0 |
8.0 |
ASUS Z370-PLUS GAMING
- Core i7-8700K @ 3.7GHz
- NVIDIA GeForece GTX 1080 Ti |
9.3 |
9.3 |
9.7 |
8.0 |
「ThinkPad X220は十分使える」というパフォーマンスです。第7世代のCore i7を搭載したDELL Inspiron 13と比較して、グラフィック性能が若干低いですが、ThinkPad X220は解像度が低いため、まったく気になりません。私が利用している範囲では、不具合もなくまだまだ現役で利用できます。最新のノートPCとの違いは、消費電力くらいですね。